
先日、朝刊で「デジタルノマド」という言葉を目にしました。場所に縛られず、国境を越えて働く人たちのことです。
読んでいて考えたのは、「働く場所を選べる」ということ自体が、一つの“権利”になっている時代だということでした。
■ 「どこでも生きられる人」と「地域に根差す人」
記事では、人を
「Somewheres(どこかに根差して生きる人)」
「Anywheres(どこでも生きられる人)」
という二つのタイプに分けていました。
デジタルノマドは後者にあたります。スキルや言語力を武器に、都市や国を移動しながら働く人たちです。
一方で、地域に根差し、コミュニティの中で長く働き続ける人たちもいます。どちらが正しいという話ではなく、生き方の前提が変わってきているという話です。
■ 「アクセスできること」が価値になる時代
印象的だったのは「アクセス権」という言葉です。
都市にアクセスできる。
仕事にアクセスできる。
人脈にアクセスできる。
嫌になれば離れることもできる。
これが、いま一部の人に与えられている自由です。
ただ、その自由はスキルや環境に支えられています。
誰もが同じように動けるわけではありません。
だからこそ、「どこでも働ける」ことよりも、必要なときに選択できる環境があることが重要なのではないかと感じました。
■ 美容師にとっての“移動可能性”とは。
美容師は完全なデジタルノマドにはなれません。
お客様がいて、リアルな技術提供がある仕事だからです。
ただ、働き方は確実に変わっています。
・業務委託
・シェアサロン
・副業美容師
・期間限定出店
場所や時間を選ぶ選択肢は増えました。
ここで大切になるのが、「固定費の考え方」です。
もし毎月の固定費が大きければ、動きたくても動けません。
予約がない月でも費用は発生します。
逆に、使った分だけ支払う仕組みであれば、「今月は多めに働く」「今月は抑える」といった調整ができます。
これも一つの“アクセス権”だと思っています。
必要なときに、必要な分だけ使えることです。
■ 自由とは、動けることだけではない
記事では、移動できる人が増えることで、地域との摩擦が生まれる可能性にも触れていました。
美容業界でも同じです。
自由な働き方が広がる一方で、地域密着型のサロンの価値は変わりません。
大切なのは、「定住」か「移動」かの二択にしないことです。
固定費を明確にし、収支を把握できる環境があれば、
美容師はもっと冷静に働き方を選べます。
それは大きな冒険ではなく、“選べる余白を持つ”ということだと思います。
まとめ
デジタルノマドという言葉から考えさせられたのは、「自由とは何か」という問いでした。
美容師にとっての自由は、どこへでも行けることではなく、状況に応じて働き方を選べることではないでしょうか。
働き方が多様化する時代だからこそ、スタイリストの方たちに向けて選べる環境づくりが、これからますます重要になると感じています。